• 『蓮始開』

    『蓮始開』
    7月12日から16日ごろは暦の七十二候「蓮始開」(はすはじめてひらく)となります。今年は異例といえるほど梅雨明けが早く、猛暑日になることもありますが平年だとこの頃にそろそろ梅雨明けかな、と本格的な夏の到来を感じる時期です。蓮は私たち日本人の多くが弔事との関連をイメージするため、慶事にはふさわしくないと思われがちですが本来は縁起のよい花といえます。仏教で神聖な花とされお経の中の「蓮華の五徳」(れんげのごとく)には仏道を歩む上での正しい姿が蓮の5つの特徴としてあらわされています。【淤泥不染の徳】(おでいふぜんのとく)泥に染まることなく美しい花をさかせる蓮。どのような環境でも心は清く保てるという教え。【一茎一花の徳】(いっけいいっかのとく)一つの茎に一つの花。人はそれぞれ唯一無二。【花果同時の徳】(かかどうじのとく)まるで開花と同時に実ができたかのように見える蓮。生まれたときから皆、仏の心をもっていることを喩える。【一花多果の徳】(いっかたかのとく)一つの花に多くの種。自身の悟りが多くの人を幸福に導く。【中虚外直の徳】(ちゅうこげちょくのとく)まっすぐ上に向かって伸びる茎の中には空洞がある。“我”を空にして悟りにむかいなさい。いかがですか。ざっくりとご紹介しましたが蓮はたくさんの教えをもつ植物なのだと知っていただけたでしょうか。ちなみに蓮の花言葉は「清らかな心」「神聖」です。夏の青空の下、涼やかに花開く蓮のように凛とした心を持ちたいものですね。
  • 『七夕にたべたいもの』

    『七夕にたべたいもの』
    毎日暑い日が続きますね。いよいよ夏本番。夜空には夏の大三角が輝いています。こと座のベガとわし座のアルタイルの物語。七夕は五節句のひとつです。ちなみに五節句とは1月7日の「人日」3月3日の「上巳」5月5日の「端午」7月7日の「七夕」9月9日の「重陽」です。節句ではお供えものをするなどして【無病息災】【子孫繁栄】【豊作】などを願います。そして行事食として旬のものを食べ季節の変わり目に【邪気を祓う】という風習でもあります。では七夕の行事食は何でしょうか。答えは「そうめん」です。七夕にそうめんを食べる風習のルーツは、中国のお菓子「索餅」にあるという説があります。中国に、索餅をお供えして【病除け】をした言い伝えがありました。その索餅が時代とともにそうめんに変化。これには、そうめんが「天の川」に見立てられた、とか織姫にゆかりの深い「織り糸」に似ているから、といったことも関係あるかもしれません。また七夕に欠かせない竹や笹は神聖な植物であり【魔除け】の力があるといわれ笹の葉の「さらさら」という音は【神様を招く】のだそうです。七夕の日、願い事をした後はご先祖様への感謝も忘れずに、たのしくそうめんをいただきましょう。7月7日は「そうめんの日」でもあるんですよ。
  • 『清流の女王 鮎』

    『清流の女王 鮎』
    場所によって日は異なりますが漁が解禁を迎えアユシーズンの到来となりました。アユは川や海を回遊する魚です。秋に河口近くで孵化し、海に出て5-10cmの稚魚に成長。その後5月頃に川を遡上して成魚となります。そして次の秋に産卵期を迎え、ほとんどのアユは一年で、その生涯を終えるのです。釣り人が「友釣り」と呼ばれる方法で長い竿を構える姿や「鵜飼い」の漁は夏の風物詩といえるでしょう。万葉集の歌にも詠まれるアユ。私たち日本人に古来から愛されてきた魚です。天皇家との結びつきも強く即位式の際には5匹のアユが描かれた旗を立てるそうです。戦勝を占ったことが鮎という字の「魚へんに占う」と書く由来となったとの説もありますし神話の中にも【縁起の良い魚】として度々登場しています。急流にも負けず、あきらめず川をのぼり続けるアユは「昇り鮎」とよばれ【出世】や【勇ましさ】を意味する縁起物だそうです。強く、美しく、短い命を燃やす「清流の女王」はまさに夏のきらめきを象徴するようです。【困難に立ち向かう姿】に想いをめぐらせ、この夏の味覚として美味しく、ありがたくいただけたら最高ですね。
  • 『てるてる坊主』

    『てるてる坊主』
    東京は6月6日に、昨年より8日早く平年より1日早い梅雨入りとなりました。以降、梅雨寒だなあという日もあり体調も不安になりがちですが少しでも穏やかに過ごせたらいいですね。ところで、楽しみにしていることが待っているとき「明日天気になあれ」とてるてる坊主を作ったことはありますか。てるてる坊主はご存じのとおり【晴天を祈願】する白い布でつくった丸い頭の人形です。にっこりと笑った顔を描くことが多いかと思いますが本来はのっぺらぼうのまま飾り、願いがかなって晴れたら、そのお礼として顔を描くのだそうです。そしてお酒をお供えし、川に流すという風習だったとか。起源は中国の伝説にあるといわれますが、日本では気象の司祭を行っていた僧(聖)と結びつき、白装束に坊主頭という姿になったといわれます。また、つるす時に口ずさむ「明日天気にしておくれ」というあの歌は大正10年に発表された『てるてる坊主』という童謡の一部で、3番まである歌です。その歌の中にも、願いをきいてくれたら甘いお酒をたくさん飲ませてあげますよといった意味の歌詞が書かれていててるてる坊主はお酒が好きということがうかがえます。もしてるてる坊主を作ることがあって、翌日願いが叶ったときお酒をかけてあげるとまた次の機会にも晴天にしてくれるかもしれませんね。
  • 『傘の日』

    『傘の日』
    街角には紫陽花の花。雨のシーズンに入りました。6月11日は「傘の日」です。この日が雑節の「入梅」にあたることから1989年に日本洋傘振興協議会が設定しました。日本では、その「末広がり」な形から【繁栄】【展望が開ける】といった縁起のよい意味も持つ傘はプレゼントとしてもおすすめです。今日は日本での傘の歴史に少し触れてみましょう。傘は4世紀ごろ仏教の文化とともに伝わってきたといわれます。日本書紀に仏具の傘を献上したという意味の出来事が書かれているそうです。元々の傘は、私たちが普段使っているものとは仕様が違い、開閉のできないもので高い身分のひとが使う日よけ、または魔除けとしての役割をもった大きな傘でした。いわば【権力の象徴】だったともいえます。その後、作りや形、目的が変化。江戸時代には和傘の生産が奨められ全国に普及したそうです。洋傘が入ってきたのは江戸時代ですが広まったのは明治時代です。文明開化とともに洋傘が一般的となっていったのですね。生活に欠かせない“道具”でありまた、生活を彩る“ラッキーアイテム”でもある傘。現在、日本は傘を世界一消費する国だそうですよ。
You have successfully subscribed!
This email has been registered
ico-collapse
0
最近見た
商品
ic-cross-line-top
Top
ic-expand
ic-cross-line-top