• 『豊かさを表す雀』

    『豊かさを表す雀』
    日本全国に分布し一年中私たちの身近にいる雀。 清少納言も心ときめきするもの、として 「雀の子飼い」を挙げるなど昔から 親しみを持たれている鳥です。 この雀に縁起の良い意味があるのを ご存知でしょうか。 寒い中、羽根に空気を含ませて フワフワと丸くなり寒さをしのぐ姿。 たいへん可愛らしいこの様子を「ふくらすずめ」と言い 「福良雀」「福来雀」と書いて「豊かさ」の象徴とされます。 帯の結び方に「ふくらすずめ」 という結びがあることでも知られますね。 慣用句の「竹に雀」は取り合わせの良いものの 例えですが この竹・笹と雀のモチーフは上杉氏や伊達氏などの 家紋にも用いられています。 常緑で、 根を深く広く張る竹(笹)と雀の組み合わせは 「子孫繁栄」や、「一族の繁栄」を 表すといわれます。 「厄をついばむ」「家内安全」「富・豊かさ」を 意味する雀。 特に、突然変異で生まれる白い雀は 古くから端鳥とされ、たいへん神聖なものであり 特別な縁起物とされてきた歴史があるそうです。 また、 「雀は鳳凰の雛である」 そんな言い伝えもあるようです。 鳳凰は人をよくみて、善人だけに 祝福を与えるといいます。 雀はいつも私たちの行いを 見ているのかもしれません。 ところで 私が子どもの頃自宅にいると 雀が台所の窓から入ってきて 白飯をついばんで去って行く という出来事がありました。 とても印象に残っていたので大人になってから、 何か意味があるのか調べてみました。 すると、雀が家に入ってくるのは 縁起が良い兆しとのこと。 今、雀の数が減っていると聞きますし 実際私もそう感じます。 住環境なども考えると部屋に雀が入ってくる なんてことにはこの先遭遇しないかもしれません。 雀は人里に暮らす小鳥です。 雀のくらしを考えることは 私たちの未来を考えることに 繋がるのではないでしょうか。 雀があらわす 「豊かさ」の縁起の意味を改めて考えてみたいですね。
  • 『雪どけの頃 雨水』

    『雪どけの頃 雨水』
    季節の移ろいを二十四に分けた二十四節気。 立春から始まり二番目の節気が 「雨水(うすい)」です。 今年は2月18日から3月4日までが その節気にあたります。 雪ではなく雨が降るようになり、 雪どけが始まります。 暦便覧には 「陽気地上に発し  雪氷とけて  雨水となればなり」 と記されています。 寒さも峠を越えて梅が咲き、 鶯の鳴き声が聞こえてくる地域もある 時期。 昔から「雨水」は農耕を始める目安とも されてきたそうです。 また、地域によってはこの日に 雛祭りの支度をすると良いともされるところも。水が豊かになってくる「雨水」の日に 雛人形を飾ると良縁に恵まれるという説があり これは雛人形が厄を人形に移して 川に流したという風習に由来しているから、 とか 豊穣をもたらす水神の弥都波能売神が 子宝や安産の信仰を集めたことと 結びついたため、など諸説あるようです。 とはいえ 雛飾りを出す日というのは具体的にルールがあるわけでは ありません。 立春から2月の中頃に飾る方が多いと聞きます。 大切なのは気持ち、ですね。 さて この「雨水」の期間をさらに細かく分けた 七十二候でみると •土脉潤起(2/18-) 雨が降り 土が湿り気を含む •霞始靆(2/23-) 霞がたなびき始める •草木萌動(2/28-) 草木が芽吹き始める となります。 土の匂いを感じるような、 じっと耐えていた生命が瑞々しいそのエネルギーを 膨らませるような、 そんなイメージがしてきませんか。 春の日差しが雪をとかすように、 命の息吹を感じる空気をいっぱい吸い込んで 心の中の凝り固まったものも 潤して、 温めて、 ほぐしていけたらいいなと思います。
  • 『春告げる鳥、鶯』

    『春告げる鳥、鶯』
            春が来たことを教えてくれるホーホケキョという美しい鳴き声。 本州の平地では早春ごろに聞かれるようになります。 ウグイスはオオルリやコマドリと共に日本三鳴鳥に数えられるなど 昔から人々に愛されています。 春を知らせるものは縁起がよいとされることが多いですよね。 「春告鳥」という別名を持つ鳥ウグイスも 縁起の良い鳥といわれます。 姿が見えなくても、その鳴き声を聞くだけで 「幸運が訪れる前兆」なのだそうです。 神社仏閣で聞こえる鳴き声は特に良いという説もあります。 神社仏閣という、そもそもエネルギーがある場所であることと ホーホケキョが法華経につながると言われるからです。 また、ふたつの取り合わせの良いもの、調和のとれているもの、絵になるものの例えとして 「梅に鶯」があります。 数多くの歌にも詠まれていますよね。 花の蜜を吸いにメジロが梅の木に来ているのを 見ることはしばしばありますが ウグイスが梅の木にとまっているのを 実際見ることはあまりないかもしれません。 しかし、「梅に鶯」という縁起が良いものどうしの 組み合わせは人々の心を明るくし、春らしく大変美しいものですよね。 私は奈良の梅園で「梅に鶯」に遭遇したことがありますが まるっとしたウグイスが大変かわいらしくて、 癒されたのを覚えています。 今思えば貴重な姿だったのだなと感じます。 三日月や ふわりと梅に鶯が (小林一茶)
  • 『おひさまとお月さまのように』

    『おひさまとお月さまのように』
    幼い頃に観た『みんなのうた』の中に 中林三恵さん作詞作曲の「赤い花 白い花」という曲が ありました。 シンプルながらも美しく色彩を放つような詞と どこか憂いを秘めた儚げなメロディ。 そして 現代の竹久夢二ともいわれる 林静一さんが描く少女の映像。 その清廉な世界観が私を魅了しました。 この曲で歌われている花とは 何の花か。 調べてみましたが 結局分かりませんでした。 そもそも、具体的なモチーフは 無いのかもしれません。 ただ、この曲を聴くとなぜか椿の花が 私の頭に浮かぶのです。 まだ冷たい空気の中でハッとさせるような 気品のある花を咲かせる椿。 勝手な想像ですが「赤い花 白い花」に ぴったりな気がするのです。 この曲はどこか悲しげですが 椿には縁起の良い意味があります。 艶やかな常緑の葉をもち冬から春にかけて 花を咲かせる椿。 文字通り椿は春を告げる、神聖なる植物として 古くから愛されてきました。 また 「厄除け」や「長寿」 「吉祥」などの意味があり 元々は松竹梅の梅と同じぐらい 縁起の良いものとされたそうです。 正倉院には 「卯杖(うづえ)」という、邪気を祓う儀式で使われた 椿の枝でできた杖が納められています。 また、源氏物語には椿餅を食べる場面があるそうですが、 春を待ちわびる気持ちと邪気を祓う意味があったとも 考察されます。 平安時代には高貴な花として扱われていたのです。 赤い椿の花言葉は 「控えめな素晴らしさ」 「謙虚な美しさ」 白い椿の花言葉は 「完全な美しさ」 「至上の愛らしさ」です。 椿の持つ意味は 「赤い花 白い花」に出てくる 私の想像の中の若者たちにも 相応しいなと感じます。
  • 『魔を滅する  豆まき』

    『魔を滅する  豆まき』
    37年ぶりだそうですが 今年は2月2日が立春の前日、 節分です。 季節が冬から春に変わる節目は二十四節気においても 一年の始まりであり その昔、立春の前日は大晦日と同様、 年の締めくくりとして重要とされました。 〈季節の変わり目には鬼がやって来る〉 目には見えない悪しきもの、鬼。 宮中で身分の高い貴族が鬼に扮装した者を 追い払う儀式であった 「追儺」「鬼やらい」が 現代の節分に繋がっています。 元々、日本には「散供」と呼ばれる、 穀物を撒いてお祓いをし 場を清める行事があったそうです。 穀物には魔除けの力や霊力があるとされていたのです。 節分で撒く豆にも、その力が宿っています。 豆は「魔滅(まめ)」に通じ 「魔の目(まめ)」 つまり鬼の目に投げることで 魔を滅する、というわけです。 この時注意すべきは豆は必ず炒ったものを用いる ということです。 市販されている節分の豆はきちんと炒られているので 安心ですが大切なポイントです。 拾い忘れてしまった豆から 芽が出るのは縁起が悪いとされ また 「炒る」が 「(鬼を)射る」に 繋がるのだそうです。 さらに「陰陽五行説」によると鬼や大豆は「金」のグループに 入るそうですが 「金」は「火」によって力をなくすといわれ 豆に火を入れることで鬼を封じるという説もあるのです。 この炒った大豆を枡にいれ神棚にお供えしたものを 「福豆」と言い 福豆を日中に準備して鬼が来る夜に撒くのが フォーマルな豆まきです。 豆まきは 楽しい行事でもありますよね。 笑顔にも魔を滅する力が宿ると信じます。 福豆と、笑顔で 見えない鬼を追い払いましょう。 そして最後、豆を食べるのもお忘れなく。 食べることで鬼退治が完了しますから。
You have successfully subscribed!
This email has been registered
ico-collapse
0
最近見た
商品
ic-cross-line-top
Top
ic-expand
ic-cross-line-top