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『今日も麦茶を飲む』
厳しい残暑。家に帰って一息つくとき冷やしておいた麦茶を飲む。麦茶が体に染みわたるようです。一般的に麦茶は大麦からつくられます。大麦は縄文時代末から弥生時代のはじめ頃に日本に伝わったといわれます。そして平安時代には大麦を焙煎し、粉にしたものを湯にとかして飲んでいたようです。現在の麦茶ともかなり似ていますよね。江戸時代になると麦茶は「麦湯」とよばれ庶民にも親しまれました。この頃は煎茶がまだ高価だったこともその理由のひとつでしょう。江戸後期には「麦湯店」も出て麦湯と甘味を一緒にいただくなどにぎわっていたようです。このように昔から親しまれている麦茶の特徴といえばその香ばしい香りと癖のない味。苦味の成分でもあるカフェインやタンニンを含んでいないため、小さな子供さんにも安心です。またカリウムの利尿作用により体にたまった熱が排出され、香り成分のアルキルピラジンは血液の流れを良くし、アミノ酸のGABAは血圧を上昇させる物質の分泌を抑えるといわれます。ちなみに麦の穂は【豊作】や【成果】を象徴し、中国では「大麦」と「大売」の発音が同じであることから【商売繁盛】をあらわすといわれます。大麦(花麦)の花言葉は【富】【繁栄】【希望】など。麦茶は夏にぴったりですがむしろ一年中飲みたい飲み物ともいえるのではないでしょうか。 -
『煤払い』
見慣れない漢字ですが「煤払い」は「すすはらい」と読みます。煤払いには年末の大掃除という印象があるかと思いますが平安時代の宮中行事が始まりといわれます。煤払いは【厄をはらう】儀式でした。室町時代には神社仏閣で本堂などを清める行事として、また江戸時代には一年間の厄をはらい清められた家で新年をむかえる準備として庶民にとっても大切な行事となりました。日にちも決まっていて12月13日。【年神様を迎える準備】が始まる神聖な日となります。この日を「正月迎え」や「煤取り節句」「十三日節句」などと呼び地域によっても様々なかたちの煤払いの文化があったようです。現代では煤の発生する囲炉裏がある家も珍しいですしクリスマス行事などが控えているため大掃除は25日以降に、という方が多いと思いますが神棚の掃除は12月13日に行ってみてはいかがでしょう。年神様がより気持ちよく訪れてくださると思います。 -
『鏡の日』
毎日お世話になっている鏡。11月30日は「鏡の日」なんだそうです。「いい(11)ミラー(30)」と読んだ語呂合わせです。11月11日も「鏡の日」なので11月には2つも記念日があるということになります。風水では鏡に【魔除け】や【厄除け】の力があるといわれ特に八角形の鏡は【良いエネルギーを呼び込み】【悪い気を跳ね返す】とされていて縁起担ぎで玄関に飾る方も多いそうです。また日本神話には「八咫の鏡」という「神鏡」が出てきます。天照大神を天岩戸から誘い出すのに使われた鏡で天照大神の御魂代(分身)として祀られる三種の神器のひとつとなりました。このことから鏡は太陽の光を映し太陽の神である天照大神をお祀りする神聖なものとして神社に置かれてもいます。普段鏡を覗くときはあくまで生活の道具として何気なく使っていますが子供の頃などには鏡が”こちら側の世界”と“あちら側の世界”の境界にあるもののような気がふとしてしまいなんとも不思議な気持ちになることがありました。ひょっとしたらそんな時は鏡のふしぎな力を敏感に感じていたのかもしれませんね。 -
『カリン』
カリンというと、のど飴に入っていてそのパッケージに描かれた黄色い果実が目に浮かびます。スーパーなどの果物売り場で見かけることもほとんどないので住宅街を歩いていて庭先に、ぽってりと実った果実を見かけたときはそれをカリンだと認識するまで数秒かかりました。収穫時期は10月から11月。堅く、渋すぎて、そのままでは食べることができないカリンですがその素晴らしい香りで芳香剤として用いられたりシロップや果実酒などに加工をして楽しめる果実です。また果肉を干したものは咳止めなどの治療に使われたとか。 そしてカリンは昔から縁起のよい植物とされているそうです。一説にはカリンの実が天にむかって実っているように見えるから、ともいわれます。【金運上昇】や【商売繁盛】の縁起物で「金は貸しても借りん」という語呂合わせから裏庭には「カシノキ(貸す)」を表庭には「カリン(借りない)」を植えると縁起担ぎになるのだとか。確かに明るい黄色の丸い実は金運がUPしそうな雰囲気がありますし、薬効がありますから人々に重宝され、香りで人を惹きつけ魔を祓い商売繁盛にもつながりそうな気がしてきます。 -
『林檎』
先日、ご近所さんから林檎をいただきました。林檎の旬は秋から冬。当店の階下にあるスーパーでも先日、特設コーナーに真っ赤な林檎が山積みされていました。林檎といえば聞いたことがあるのが【林檎が赤くなると医者が青くなる】というもの。これは林檎を食べると私たちの健康に嬉しい効果があり医者にかからずにすむということを表しています。イギリスには【一日1個の林檎は医者を遠ざける】ということわざがありますし、中国でも【林檎を食べると医者いらず】といわれスペインでも【毎日の林檎一つは医者にかかる費用の節約になる】というような言い伝えがあるそうです。世界の多くの場所で共有されている林檎のパワー。食物繊維やペクチンに期待される整腸作用悪玉コレステロールを下げる働き血糖値の上昇を抑えるなどの研究報告があるそうです。また林檎の香りは神経を静めてくれるともいわれます。神話にも登場するほど 、とくにヨーロッパなどでは古い歴史をもち、ある意味スーパーフルーツともいえる林檎。かつて「apple」とは「果実」を示す言葉であったことからも世界的にみて林檎は果物の代表ともいえるのではないでしょうか。そんな林檎を旬であるこの時期に是非いただきたいものです。林檎の花言葉のひとつに【最も美しいひと】というのがありますが体の中も健康で美しくありたいですね