• 『大暑のころ』

    『大暑のころ』
    7月22日に迎える「大暑」ほとんどの地域で梅雨が明けジリジリと太陽が照りつけ暑くて眩しい夏がやってきます。江戸時代に書かれた暦の解説書である暦便覧には「暑気いたりつまりたるゆえんなれば也」とあります。七十二候は下記のとおり。初候【桐始結花】(きりはじめてはなをむすぶ)500円硬貨、また日本国政府の紋章などにもなっている桐。花言葉は「高尚」です。神聖とされる桐が花を咲かせるころです。次候【土潤溽暑】(つちうるおいてじょくしょす)草木は生い茂り蒸し暑い日々。末候【大雨時行】(たいうときにゆく)真っ青な空に湧き立つ入道雲のコントラスト。夏の風物詩ともいえる 打ち水。江戸時代には涼をとるために一般的に行われていましたがもともとは神様の道を清める目的で行われていたという話もあります。打ち水のおすすめは朝と夕方です。暑さとの付き合い方は毎年難しく感じますが無理せず、工夫をしていきたいですね。
  • 『心をつなぐお線香』

    『心をつなぐお線香』
    日本では飛鳥時代に始まったとされるお盆の行事。明治に新暦へと変わったのがきっかけで地方によってお盆の行事を行う期間も様々になったといわれ東京や神奈川、静岡など7月13日から16日に 盆供養をする地域も多いですね。さてお盆の行事に欠かせないお線香。あまりに当たり前すぎて疑問に思ったこともなかったのですが、お線香って何?が今日のお話しです。仏教伝来も影響し、日本には中国を経由して伝わったとされるお香。貴族たちはお香の文化をたのしみその後は香道としても発展しました。お線香も江戸時代には一般にも広まっていきます。お線香の代表とえるのが「杉線香」と「匂い線香」です。杉線香は寺院などで使われる大量の煙を出すのが特徴のお線香。匂い線香は主に家庭の仏壇で使われるお線香で白檀、沈香、伽羅などの香りがよく知られます。ご供養として焚く場合、四十九日の間は「食香(じきこう)」といいまだこちらの世界にいる魂に【食事を供える】意味があるそうです。 ある仏教の経典には「生前に良い行いをした者は良い香りを食べる」というような記述があるとか。四十九日後は【心を通わす】という意味となり、お線香の煙があちらとこちらのをつないでくれます。お線香の良い香りは【心や体、場所を清める】とともに、部屋の隅々にいきわたる様子がすべてに平等な【仏様の心】を表しているともいわれるそうです。最近は様々な香りのお線香がありますよね。空間や自身を清めるため自分好みの香りを焚いてリラックスしてお盆を迎えるのも良いですし御先祖様の好きそうな香りをお供えするのもよいですね。たくさんのお線香の中からどれにしようか悩んでいる姿もきっと空からお見通しのことでしょう。
  • 『小暑の頃』

    『小暑の頃』
    二十四節気の第11番目「小暑」 今年は7月7日からになります。 梅雨明けも待ち遠しい季節ですが 大雨にも注意が必要です。 江戸時代に作られた暦便覧には 「大暑来れる前なればなり」 とあります。 「小暑」の頃と次の節気である 「大暑」の頃は一年の間でも 厳しい暑さとなる一か月。 これを「暑中」と呼んで 暑中見舞を出す期間でもあります。 では「小暑」を七十二侯でみてみましょう。 初侯 【温風至】 (あつかぜいたる) この温かい風はフェーン現象を指す ともいわれます。 フェーン現象は気流が山にあたり 風が山を越えて、乾いた暖かい 下流気流を生むことにより 付近の気温を上昇させる現象です。 次侯 【蓮始開】 (はすはじめてひらく) 水面に浮かぶおおきな蓮。 優雅で凛とした姿に 一瞬、時を忘れる想いがします。 末侯 【鷹乃学習】 (たかすなわちわざをなす) 鷹の雛が巣立ちができるように 飛び方や獲物の獲り方を学びます。 諸説ありますが 鷹は「運気上昇」をあらわす 縁起の良い鳥ともいわれます。 不安定な気圧の変化などもあり 身体がまだ暑さに慣れていない この時期。 無理せず心と身体のバランスを整えて 大暑に備えたいものです。    
  • 『朝顔の文様』

    『朝顔の文様』
    本格的な夏を前に和装のお店などではかわいらしい浴衣がディスプレイされているのを見かけます。ストライプなどを取り入れたどこかクールな印象の柄や大正時代を意識したレトロなものも人気があると聞きます。また金魚や紫陽花など定番の柄も、長い間愛されているだけあってとても素敵ですよね。そんな浴衣の柄としても人気の高い朝顔文様について今日は調べてみました。朝顔は蔓(つる)を伸ばししっかりと絡みつく植物ですよね。そのことから【相思相愛】【かたい絆】を意味する縁起の良い文様です。また別名を「牽牛」と言いますがこれは古代の中国でその種が薬として使われ非常に高価であったため、朝顔を贈られたときは牛を引いてお礼をした、といわれるからだそうです。 平安時代に日本に伝わった朝顔。江戸時代には「牽牛花」という呼び名と七夕の彦星(牽牛)が織姫と一年に一度出会えたという話が結びつきたいへん縁起の良い花とされました。また吉祥文様の中でもよく知られている唐草文様。唐草という呼称の植物ではなく朝顔のような蔓草が絡んだようすを図案化した文様です。【生命力】の象徴であり【繁栄】を意味します。これを合わせてみると朝顔の文様には【良縁】が【固く結びついた絆となり】【栄えていく】という解釈もできるかもしれません。因みに朝顔全般の花言葉には【固い絆】【愛情】などがあるそうです。文様の意味とも重なりますね。
  • 『夏至のころ』

    『夏至のころ』
    今年は6月21日から7月6日が 二十四節気の夏至の頃となります。 北半球では6月21日が 昼の時間が一番長い日 夏至です。 暦便覧には 「陽熱至極しまた 日の長きのいたりなるを 以てなり」 とあります。 夏至の頃というと私のあたまに 『銀河鉄道の夜』がうかびます。 言わずと知れた宮沢賢治の名作で 星祭りの夜に少年ジョバンニに起きた 不思議な出来事が描かれた ファンタジーです。 物語の中のこの星祭りには 七夕やお盆、 そしてイタリアなどヨーロッパで行われる 夏至のお祭りを合わせたような雰囲気があり、 夏至というと『銀河鉄道の夜』を 思い出すひとも多く、 私もそんなひとりなのです。 ヨーロッパの夏至のお祭りでは 夜になると太陽の光のように 火を焚くなどして 【魔物を払い】 【豊作】や【無病息災】を 祈願するとか。 日本でもこの夏至の頃 多くの神社で6月末に 夏越しの祓 (なごしのはらえ)といって 【穢れ祓い】の 行事があり 【無病息災】を祈ります。 ヨーロッパの夏至の祭りも 自然信仰がルーツといわれますし 何だか親近感を覚えますね。 夏至を過ぎると本格的な夏。 梅雨空ではなかなか厳しいですが この時期は銀河鉄道の夜にも登場する 夏の星座たちが顔を出してきますから たまには夜空を楽しむのも 素敵だと思います。
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