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早く、まっすぐ、美しく|吉祥のレン公式オンライン
春になり、スーパーに筍が並び始めます。(竹の産地・種類により、3月から5月ぐらいに収穫されるそうです) 今回は縁起物としての「竹」のお話です。 ー早く、伸びるー 成長のピーク時、中には一日で1mちかくも伸びることもあるという竹。 「筍」の字は「竹」と「旬」に分けられますが、「旬」は約10日間を意味し、筍が10日で竹になってしまう(それぐらい早い成長)ことからこの字が作られたという説があるそうです。 この驚異的な特徴に、こどもの成長や、出世の願いが重ねられているのは、よく知られています。 ーまっすぐ、立つー 太陽に向かってまっすぐに。そんな竹は、天の恵みにあやかれることに重なります。 ー美しく、耐えるー 寒い季節でも、美しい緑色を保ち、しなやかなために風にも負けず、また病気にかかりにくく丈夫な竹。 広く根を張り、芽をどんどん出していく事から、子孫繁栄や、力強く育っていくように、という願いが込められています。 一番ハッとしたのは縁起の意味そのものより、むしろ人々の想いでした。 現代と違い、産まれた子が丈夫に育つというのが決して当たり前ではなかった時代。切実な想いを自然の大いなる力に祈る… 筍を食べるときは健康に大人になれたことに感謝をしながら、ありがたく頂こうと思います。 -
長寿を象徴する代表的な花”菊”|吉祥のレン公式オンライン
国を代表する花"菊"。見た目も美しく芳しい香りがする菊は、長寿を象徴する代表的な花。菊を描いた文様は、ご存知のように吉祥柄"菊紋"として古くから愛されています。 本日はその"菊紋"について、少しお時間を頂戴出来たら、と思います。 皇室の紋章としても使われている菊は、昔から高貴な花として位置づけられています。菊にもたくさんの種類があり、観賞用だけでなく食用としての菊も栽培されていることはご存知の方も多いでしょう。秋になると各地で菊花展が催され、日本人にとっては馴染み深い身近な花となっています。 秋の花とされる菊ですが、格調高い花柄なので季節を問わず用いられています。着物、日本のパスポートの表紙、50円硬貨のデザイン…さらに1899年から1908年にかけて発行されていた切手には菊の模様が入った種類もあり、今では「菊切手」と言われて高値で売買されています。 紐解くと、菊は中国原産で奈良時代に薬草として日本に伝わったとされています。そして日本でも中国流に、重陽の節句(九月九日)には菊花の宴を開いて菊酒に不老長寿を願い、鑑賞の対象とするようにもなりました。 菊紋としての意匠化は鎌倉から室町時代にみられ、桃山時代には日本的意匠の秋草の一つとして扱われるようになりました。文様には、様々なデザインや形式があり、菱形や丸と組み合わされることも多いです。丸い形が太陽を思わせることから、花柄の中でも最も位の高い花として用いられています。 さて、天皇家が使用している菊紋ですが、戦国時代に「戦果を挙げた武将への褒賞として下賜される」ということが行われるようになりました。例えば、将軍となった足利尊氏は当時の後醍醐天皇から菊紋を下賜されています。また、豊臣秀吉も後陽成天皇から菊紋を下賜されており、大変喜んで調度品などに使用していたと言われています。当時、天皇は神様と同等ともいえる存在。その天皇から家紋を下賜されるということは、武将たちにとって何にも代えがたい名誉でした。それだけに、勝手に真似をして菊紋を使用した人物がいる一方で、「恐れ多い」と辞退した人もいたほどです。菊紋の存在は、それほど大きなものだったのですね。 菊の花には、他にも無病息災・邪気払い・心身の安定など様々な意味が込められています。確かにその形状は、私達人間を大きく温かく包み込んでくれる太陽の姿形と重なり見える気がします。まさに世界中の誰も皆が踏ん張り時の今、私達の心に寄り添い、豊かな心へと導いてくれる文様といえます。 吉祥のレンで取り扱っている菊の商品一覧はこちら -
人と人との和のを表す”七宝”|吉祥のレン公式オンライン
吉祥柄を軸に展開をしている当店では、懐かしそうに愛おしそうに商品をじっくりと手に取られる高い年齢層の方から、この柄可愛い!と新鮮に受け止め喜んでくださる若い女性のお客様まで、吉祥柄の商品はどの世代にも喜ばれています。 中でも七宝柄は、心和やかに、晴れやかになるだけでなく、見れば見るほど神々しささえ覚えるのは私だけでしょうか?今回は"七宝"について振り返るとともに、少しだけ紐解いてみたいと思います。 そもそも「七宝」とは、仏教用語で述べられている「金、銀、水晶、瑠璃(るり)、瑪瑙(めのう)、珊瑚(さんご)、しゃこ」の七つの宝を指します。同じ大きさの円、または楕円を四分の一ずつ重ねる文様を「七宝文」といい、この文様を上下左右に規則正しく連続させたものが「七宝つなぎ」と呼ばれます。「七宝」=「しっぽう」と呼ぶ由来は、この文様が四方にどちらにも伸びていることから、江戸時代に四方がなまって「しっぽう」と呼ばれるようになったと言われています。円(輪)は和につながるもので、"人と人との和の大切さ"を表しています。また、文様が限りなく伸びることから子孫繁栄の意味もあります。 このように七宝について振り返ってみると…"人と人とのつながり(輪、和)"は、"七つの宝"と同じように大切にすべきもの=常々私達の心構えの要として根底にある 〜ご縁を大事に想うこと〜 と、まさに相通じるものである…と改めて気づきを得ることができます。 -
6つ揃って無病(六瓢)息災。”瓢箪”について|吉祥のレン公式オンライン
連日報道されておりますように、新型コロナウィルス感染拡大は留まるところを知りません。そんな中、吉祥のレンでも、ギフトに自家用にと"縁起もの"を求めて来店される方が多くいらっしゃいます。そこで今回、「3つ揃って三拍(瓢)子で縁起良し、6つ揃って無病(六瓢)息災」、皆さん十分ご承知の"瓢箪"について少し掘り下げてみたいと思います。 古代より、乾燥させると容器として使える瓢箪は世界各地で使用されてきたそうです。特に、作物の種入れとして用いられてきた歴史は長いのです。農耕民族の日本人にとっても作物の種は命を繋ぐ食物を得る大切な生命そのもの。それを入れるためのものですから瓢箪自身が招福と健康の象徴となったことは想像に難くありません。 また、瓢箪は昔から薬入れに用いられたこともあり、医療の象徴ともされてきました。子供が病気がちで心配な場合は、"瓢箪を枕元に置く"という風水術があります。男の子なら枕元の左側に、女の子なら右側に置くようにし、これは大人の場合も同じとの事。さらに瓢箪は、玄関や窓辺に置くと、持ち主の健康を促進するだけでなく家の気を旺盛にするとともに、良くない気を減じる"化殺"の効果があるとされています。 ちなみに、ウリ科の植物である瓢箪の花言葉は「繁栄・利得・夢・円満」 この御時世、人々が一刻も早い安らかな日常を取り戻せるよう願いますとともに、吉祥柄"瓢箪"の有するパワーを拝借し、繋がるお客様との会話に活かしていけたらと思います。 -
ちょっと欲張りな吉祥文様”宝尽くし”|吉祥のレン公式オンライン
年度が変わるこの時期は、お餞別やご挨拶のギフトもとても多いですよね。そこで今回は、商品としてはもちろん、当店で使用しているラッピング用紙のデザインとしても描かれ、目にするとワクワク幸せな気分にさせてくれる吉祥柄"宝尽くし"について、おさらいを兼ねて少しお話しをさせていただきたいと思います。 ".宝尽くし"は、縁起の良い宝物を寄せ集め並べたちょっと欲張りな吉祥文様。福徳を招くといわれています。中国の吉祥思想の一つ“八宝”に由来し、それを室町時代に和風化したものです。 文様は…・金銀財宝など思いの叶う玉"如意宝珠"・蔵の鍵である"宝やく"・昔の財布の"金のう"・欲しい物が手に入り望みが叶う"打ち出の小槌"・身を隠し守る"隠蓑"と"隠笠"・香料や薬に用いる"丁字"…などを散らし模様とします。時代や地方により散らす文様は相違するとの事。 その中でも、宝尽くし文様の中に必ず入れられる"打ち出の小槌"のパワーは素晴らしい。もともと鬼の持ち物とされており、平家物語では鬼が持っている描写があります。おとぎ話の一寸法師や、七福神の一人である大黒天の持つ小さな槌も打ち出の小槌と呼ばれます。人を幸せにしたり、宝物や力を与えるといった『開運招福』に通じるとされています。 また、小槌は物を打つ道具であることから、敵を「討つ」に通じ必勝への願いが込められ、武将たちにも好まれた文様です。まさに今…世界中の誰もが手に入れたい"打ち出の小槌"…ですね。 今だからこそ、吉祥柄の素晴らしさをお客様に感じていただけると思います。世界的にこのような状況だからこそ、前を向いてポジティブに。 "宝尽くし"で包まれたギフトをお渡しする瞬間、私達スタッフとお客様、お客様と贈る相手の方が、"繋がり"という宝にも想いを馳せる…"宝尽くし".は、まさに人々にとって"福徳尽くし"ですね。 吉祥のレンで取り扱っている宝尽くしの商品一覧はこちら