『瑞兆花 水仙』



雪の中でも咲き、冬の季語でもあるスイセン。

室町時代の辞書には
すでに「雪中花」と記されいる、日本各地で見られる花です。

新年の頃に見ごろとなり春をいち早く知らせる
おめでたい兆しの花=瑞兆花といわれます。

水仙という名は中国の古典の一節

 在天日天仙
 在地日地仙
 在水日水仙

に由来するといわれ
その花の美しさと香りがまるで仙人のようだ
ということからつけられたそうです。

中国では「清楚」をあらわす花
ともいわれ
そしてその凛とした香りは
世界中で大変人気があります。


日本でスイセンといえばニホンズイセンです。
白い花の中央に黄色い副花冠があります。

「知性」を象徴する花で
水仙の仙は
「長寿」を表すといわれます。

また、江戸時代には引越しなどの節目を彩る
縁起物とされたそうです。


風水の世界でも
「幸福を招く」とくに「金運を高める」
といわれます。


スイセンは私たち日本人にとって
たいへん馴染み深い花ですが
実はヨーロッパが原産で学名を「ナルシサス」といいます。

 ナルキッソスという美少年が
 泉に映った自分の姿に恋をして
 そこから動けず死んでしまい、
 そのあとに
 スイセンが咲いていた

この有名なギリシャ神話が由来という説があり
スイセンの花言葉は
「自己愛」や「自惚れ」
となったそうです。


世界中で愛されるスイセンに
人々がたくさんの意味と物語りを与えたのも
その美しい立ち姿を見れば
頷けるなと感じるばかりです。

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