『撫子』
厳しい暑さとなった8月ももう終わり。
東京でも朝晩はなんとなく秋の空気を感じるようになってきました。
野山では秋の七草が可憐な花を咲かせています。
その花の中でも撫子は皆さんによく知られた花でしょう。
着物では暑い中でも涼やかな季節をイメージするように、
浴衣などの夏の装いを彩る柄として描かれる撫子。
撫子という名は頭を撫でるように大切に育てる子ども(撫でし子)のように
その姿を愛でたい、という想いからつけられたともいわれます。
撫子は初夏から秋にかけ意外にも長く咲く花で、
源氏物語の巻名にもある「常夏」は撫子のことだそうです。
また枕草子の中でも撫子はとても良いと語られていて
古の時代から愛されていた花であることが分かります。
鎌倉時代になるとデザインのモチーフとしても人気となり
江戸時代には多くの品種が作られました。
【可憐】で【美しく】
【清楚】で【芯が強く】【凛とした】女性を
「大和撫子」といいますよね。
現代社会における「大和撫子」とはどんな女性でしょうか。
笑顔が素敵で、余裕をもって物事をみることができる、
そんな女性が私の頭には浮かびました。
私の場合、野に咲くこの小さな花から学ぶことがたくさんありそうです。