『観世水文』-流れる水は腐らず-
‐観世水文様‐
常に新しく変わりながら姿をとどめている水の流れは清めの意味を持ち、未来永久の象徴とされる紋様
日本において水は古くから清浄や穢れを祓うものとされ、伝統文様にも水をモチーフにしたものが多々見られます。
その中のひとつ、観世水文様は曲線で表した流水文様の一部に渦巻きを加えた文様です。
常に変わりゆく無限の様を表し、能楽の観世家が紋としたことに由来します。
この文様は渦を巻いた井戸の水からヒントを得て作られ、桃山時代~江戸時代にかけて人気を博しました。
とくに、江戸時代の後期には、当時人気だった歌舞伎俳優の澤村源之助が小間物屋弥七役で、観世水を描いた舞台衣装を着たことから大流行したとも云われています。
流れる水は腐らず。
常に変わり続ける私たちの日常も、未来へ向かって良い方向へいきますように...。
そんな願いを込めて観世水文様が描かれた物をご自身に、大切な人へいかがでしょうか?