『良縁を願う 蛤 貝桶』
春が旬の食材といえば
鯛、筍、キャベツに玉葱…
蛤(はまぐり)も春が美味しい季節です。
蛤は縁起の良い食材といわれ雛祭りや、結婚式でも
お吸い物などにしてふるまわれたりしますよね。
その理由を探ってみましょう。
平安時代に起源があるといわれる
「貝合わせ」
という
格式の高い遊びが貴族たちの間で行われていました。
二枚貝である蛤の貝殻を一片ずつに分け、
たくさんの貝殻の中から組になっていた殻を
見つけるのです。
今でいうカルタやトランプの神経衰弱のような
今でいうカルタやトランプの神経衰弱のような
規定ですね。
殻の内側には和歌の上の句下の句や
対となる絵が描かれています。
元々対になっていた貝殻しかピッタリと合わさることがない、
という性質が利用された遊びです。
「対となるものしか合わない」
この事から
蛤には
【夫婦円満】
【夫婦和合】
【良縁に恵まれる】
という意味があるのです。
また
貝合わせの蛤を入れておく
「貝桶(かいおけ)」は
蒔絵などの美しい装飾が施され
江戸時代には公家や大名の
嫁入り道具の一つでした。
婚礼の行列でも先頭で運ばれるなど
とても重要なものとされたそうです。
今でも雛人形の飾り道具にもなっていますし
蛤と同じく貝桶の柄も縁起の良い模様として
着物などに描かれます。
蛤や貝桶には
大切に大切に育てた娘に
どうか
【幸せになって欲しい】
という親心が込められているのですね。