『災難を転じる 南天』
門の脇や庭に植えられているのを
しばしば見かける南天。
小さな赤い実をつける季節になりました。
夏に花を咲かせますが
南天といえばかわいらしい実と、
品種によっては紅葉も楽しむ印象が強いですよね。
中国が原産で
日本でも育てやすい植物です。
40種ほどが栽培されているとのこと。
代表的な赤南天は赤い実をたくさんつけて、葉も紅葉し、
白南天は白〜薄い黄色の大きめの実で、葉は常緑なのだそうです。
南天のど飴は南天を使用しているものとして有名ですが
このように薬用にも利用されている植物です。
南天の「花」言葉は「募る愛」など。
「実」が持つ花言葉は「よき家庭」など。
全般的には
「私の愛は増すばかり」
「福をなす」「よき家庭」などの
花言葉があります。
また、南天に「難転」の字をあて、
縁起の良い意味をもつ縁起木といわれています。
災難や難関を転じる、というわけです。
戦国時代の武士は、鎧を入れる箱に南天の葉を収め縁起を担ぎました。
さらに、魔除けや火災避けの力があるといわれ
江戸時代には多くの家の玄関先に
南天が植えられていたそうです。
現代でもお赤飯などに南天が添えられていますよね。
これにも魔除け、厄除けの意味がありますが
実際、南天の葉には腐敗を抑える作用があるそうですので
理にかなった興味深い知恵だといえます。
災い転じて福となす。
小さな木の実に
人々の前向きな想いが宿っているのですね。