『まんがの日』
「まんがの日」というのがあるのをご存知でしょうか。
20年前に、11月3日を日本漫画家協会と出版社5社が協力して
「まんがの日」に制定しました。
「漫画を文化として発展させたい」
との想いから文化の日と同じ日付に定められたそうです。
またこの日は手塚治虫先生の誕生日でもあります。
よく日本における漫画の原点とも言われるのが京都の高山寺に伝わる鳥獣戯画。
動物たちが人間のような動きをしている姿を、ユーモアたっぷりに表現しています。
しかしながらこの絵巻物には謎も多く誰がいつ、どういう目的で描いたのかなど、
実は不明なのだそうです。
観る者の想像を掻き立てる、それも魅力のひとつかもしれません。
鳥獣戯画には様々な動物や霊獣などが登場しますが
その中でもウサギと並ぶ有名キャラクターの蛙。
こちらのコラムでもしばしばご紹介していますが
あらためて蛙が縁起の良い生き物だといわれている事をお伝えしましょう。
蛙=カエル=返る・帰る
蛙をこのように解釈し
【無事帰る】とか【お金がかえる】などの意味をもつといわれ、
また前に跳ぶことから【出世】の象徴とされます。
海外でも蛙を縁起物とする国は多く、
【豊作】や【子孫繁栄】を象徴したり【神の使い】としたりするところもあるそうです。
稲作を中心とした生活を送る日本人にとって田んぼに住むカエルは身近な生き物であり、
その愛嬌のある姿から、鳥獣戯画のメインキャラに採用されたり
縁起の良い意味を持つようになったりするのもうなずける気がします。
また、
蛙に【帰る】という縁起の意味を持たせたのもある意味「語呂合わせ」というユーモアの成せる技。
この「まんがの日」にあわせて“ユーモアの視点”から生活を眺めてみると
普段は気にも留めないことや当たり前に思っているものも
もしかしたら、鳥獣戯画に描かれる動物たちのように
生き生きと見えてくるかもしれないな、なんて考えてしまいます。