『おひさまとお月さまのように』




幼い頃に観た『みんなのうた』の中に
中林三恵さん作詞作曲の「赤い花 白い花」という曲が
ありました。

シンプルながらも美しく色彩を放つような詞と
どこか憂いを秘めた儚げなメロディ。

そして
現代の竹久夢二ともいわれる
林静一さんが描く少女の映像。

その清廉な世界観が私を魅了しました。

この曲で歌われている花とは
何の花か。

調べてみましたが
結局分かりませんでした。
そもそも、具体的なモチーフは
無いのかもしれません。

ただ、この曲を聴くとなぜか椿の花が
私の頭に浮かぶのです。

まだ冷たい空気の中でハッとさせるような
気品のある花を咲かせる椿。

勝手な想像ですが「赤い花 白い花」に
ぴったりな気がするのです。

この曲はどこか悲しげですが
椿には縁起の良い意味があります。

艶やかな常緑の葉をもち冬から春にかけて
花を咲かせる椿。

文字通り椿は春を告げる、神聖なる植物として
古くから愛されてきました。

また
「厄除け」や「長寿」
「吉祥」などの意味があり
元々は松竹梅の梅と同じぐらい
縁起の良いものとされたそうです。

正倉院には
「卯杖(うづえ)」という、邪気を祓う儀式で使われた
椿の枝でできた杖が納められています。

また、源氏物語には椿餅を食べる場面があるそうですが、
春を待ちわびる気持ちと邪気を祓う意味があったとも
考察されます。

平安時代には高貴な花として扱われていたのです。


赤い椿の花言葉は
「控えめな素晴らしさ」
「謙虚な美しさ」

白い椿の花言葉は
「完全な美しさ」
「至上の愛らしさ」です。

椿の持つ意味は
「赤い花 白い花」に出てくる
私の想像の中の若者たちにも
相応しいなと感じます。
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