『いま、とんぼの眼鏡は何色か』|吉祥のレン公式オンライン
子供たちにとって、虫捕りの定番ともいえるトンボ。
デザインモチーフとして、とても良い意味を持っているのをご存知でしょうか。
トンボは日本書紀にも登場します。
日本列島を見渡した神武天皇は、
このような事をいいます。
「この国はトンボのようだ」と。
また古事記では、雄略天皇が狩りをした際、腕に噛みつこうとしたアブをトンボが捕らえていった話が書かれています。
日本を「あきつしま」と呼んだ記述があるそうですが、「あきつ」とはトンボの事です。
私たち日本人の文化に深く関わる稲作において、トンボは益虫であり、とても大切な存在だった事がうかがえます。
トンボは英語で「ドラゴンフライ」ですが、ドラゴンは“魔”の怪物であり、そう考えると日本とは扱いが逆で、稲作文化ではないからなのか、と考えると興味深いです。
さて、このように日本では慣れ親しまれているトンボ。
兜の前立にトンボを施した前田利家をはじめ、多くの武士たちに人気のモチーフでした。
それというのも、
素早い動きで前にだけ進む習性から「不退転」(決して退かない意志)をあらわす“勝ち虫”と呼ばれていたからです。
また、物の先端(頭)にとまる習性から「出世」を、
そして稲作との結びつきから「五穀豊穣」を意味します。
遠い昔から人々はトンボにパワーを感じていたのですね。
トンボの大きく力強い目に、今の日本の景色はどのように映っているのでしょうか。
困難の先に、希望の色が映っているといいなと思います。