『月見て跳ねる、縁起物』|吉祥のレン公式オンライン
秋雨の日々を抜けると、美しい月を愛でる季節ですね。
先日、お月見についてのコラムをあげさせていただきましたが、今回はうさぎのお話を。
日本では月に浮かぶ影を、餅をつくうさぎに見立てますが、何故、月にうさぎがいるのでしょうか。
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むかしむかし……
ひとりの老人が山中で倒れているのを、三匹の動物が見つけました。
猿と狐と兎です。
三匹は老人を助けようと考えます。
猿は木の実を、狐は魚をとってきて
その老人に与えました。
しかし兎はどんなに頑張っても何も得る事ができず、己の非力を嘆きます。
なんとか老人を助けたいと考えた兎は猿と狐に火をおこしてもらうと、なんとその火の中に飛び込んだのです。
自らを食糧として与えるために。
老人は帝釈天の姿を現すと、兎の慈悲に溢れたその行いを後世に伝える為、月へと兎をのぼらせました。
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日本では「月=ツキ(運がついている)」ということから、月そのものが縁起が良いものとされ、その月にいるうさぎも縁起物といわれます。
さらに跳ねる姿は「飛躍、躍進」に通じ、
また、冬眠から目覚めて駆け回る姿は春の象徴であり、幸運を呼ぶとされるようです。
他にも、子孫繁栄、縁結び、金運上昇など、うさぎには縁起の意味がたくさんあります。
丸くて、ふわふわとしてかわいらしく、
物語やグッズのキャラクターとしてもよく登場するうさぎは、
その縁起の意味の多さからも、昔から多くの人に愛されていたのだなぁと想像できます。
自己犠牲の後に月へ昇った姿に、共感したひとも多かったことでしょう。
そして、いまでも地上のうさぎは十五夜お月様にいる慈悲深い御先祖様を想って、
飛び跳ねているかもしれません。