陽光仰ぎ 短夜を愛しむ「夏至」

ここ数日は30℃を超す暑さが続き、長い自粛期間で外気温の変化に慣れていない私たちにとっては、より一層体調管理に気を付けたいところですね。
日もだんだんと長くなり、通勤帰りに見上げる空がほんのり明るいと、ポジティブ思考になれる気がします。

さて、2020年の夏至の日は6月21日です。
北半球においては、一年のうちで最も昼の時間(日の出から日没の時間)が長くなるため、「一年で最も日が長い日」としてお馴染みです。
太陽の位置が一年のうちで最も高くなるので、日が昇ってから沈むまでの時間が長くなるわけです。

夏至は二十四節気の一つです。
二十四節気は期間なので、夏至から小暑(同じく二十四節気の一つ)までの期間をさし、毎年6月21日頃〜7月7日頃にあたりますが、この節気に入る日をさすこともあります。
特に夏至の場合、一般的には前述のとおり「一年で最も昼の時間が長い日」として捉えることが多いです。
また、夏至の日は梅雨の最中の地域が多いのですが、「夏に至る」と書くように、この頃から夏の盛りへと向かっていきます。

「太陽の力が最大になる」と考えられてきた夏至。
古来伝わる、太陽の恵みに感謝して豊作を祈願し、夏至から11日目の半夏生(はんげしょう)までに田植えをする風習があります。そして、田植えが終わると小麦餅を作って供えるようになりました。
関西では、この小麦餅を「半夏生餅(はんげしょうもち)」といいます。
また、関西には稲の根っこが蛸の足のように強く深く、広く根付いてほしいと願い、蛸を食す風習があります。

昼と夜の長さがほぼ同じになる春分から昼の時間が長くなり、夏至には最も夜が短くなります。そこで、夏の短い夜のことを「短夜(みじかよ)」と呼ぶようになり、夏の季語として親しまれるようになりました。

平安時代、貴族たちは短い夜を惜しみ、蛍狩りを愉しんだといわれています。
かの清少納言も、「夏は夜。月のころはさらなり、闇もなほ、蛍の多く飛びちがいたる。また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くもをかし。雨など降るもをかし」と『枕草子』で綴っています。

どんな時も、私たちを明るく大きく照らし包み込んでくれる太陽。
その神聖なる陽光を一年で一番長い時間感じることのできるこの日を、 一日頑張った自分へのご褒美に短夜を愛しみながら想いおもいに過ごすおうち時間を、大切にしたいものですね。