『立冬の頃に蕎麦を楽しむ』


「立冬」というと
11月7日その一日をいうこともありますが
二十四節気という季節の区切りでいうところの
次節気である「小雪」が来る11月22日の前日までの期間を「立冬」とすることもあります。

北国では雪が降り、季節は冬に入りますが
多くの地域では、冬というにはまだ少し早いですよね。

そもそも立冬とはどんな季節か。

調べてみますと
「秋が深まり冬の気配が立ち始める」
とあり、
暦便覧(こよみびんらん)という
江戸時代に出版された暦を解説する書籍によると
「冬の気立ち始めていよいよ冷ゆれば也」と解説されています。

つまり、まさに秋の盛り、秋のピークを感じられる季節、ともいえるのです。

この時期の旬の代表というと
山茶花、水仙、
そして新蕎麦です。

そばは品種により夏に穫れるそばと秋に穫れるそばがあるそうです
多くの場合、秋そばが新蕎麦と言われるようです。

夏に蒔かれたそばの種は
10月から11月頃に収穫されます。
秋そばは秋新とも呼ばれ
香り高く深い味わいが特徴です。

タンパク質、ビタミンB、ルチンなど栄養豊富な健康食である蕎麦は
昔から縁起物でもあり、
ハレの日に食べられてきました。

蕎麦には様々な縁起に関する意味がありますが、その内のひとつに

「蕎麦は切れやすいため、厄災との縁を切る」
というものがあります。

栄養価の高い新蕎麦を
美味しくをいただいて、
厄除けまでできてしまうなんて。

お蕎麦屋さんの暖簾下に
「新蕎麦、打ち始めました」の張り紙を見つけたら、吸い込まれてしまいそうです。
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