『神の実、桃』
旬を迎えた桃。
果物売り場を通りかかるといい香りに癒されます。
中国が原産といわれる桃。
日本では弥生時代の遺跡から種が見つかっているそうですが
主に観賞用や儀式用だったと言われます。
中国に「仙人が桃を食べて不老不死になる」という話があるそうです。
桃は「仙果」と呼ばれ【不老長寿】の縁起をもち
実だけでなく枝、葉、花も【邪気を祓う】とされます。
また日本でも桃は神話に登場します。
「オオカムヅミ」という神様がいますが
その名はイザナギが与えたものであり
古事記では「オオカムヅミノミコト」と記されます。
黄泉の国で魔物に追われる身となってしまったイザナギが
逃げる際にそこに生えていた桃の実を3個投げつけたところ
魔物は逃げていったという話。
このことからイザナギは桃の実に「オオカムヅミ」と神名を授けたのだそうです。
つまり「オオカムヅミ」は桃であり神様なんだとか。
また、このように桃に【魔除け】の力があるとされるお話は他にもいくつかあるようです。
おとぎ話の『桃太郎』は室町時代にできたものですが
上記のような桃が持つ魔を祓う力に関連して作られたと思われます。
興味深いですね。
桃は神の実、なのです。