『 桜 』
桜の花の季節がやってきました。
今年は全国的にも平年に比べ、
開花が早いところが多いようですね。
奈良時代までは花の代表といえば梅であったのが、
平安時代には花といえば桜、となりました。
桜は日本を象徴する花のひとつであり、
桜をモチーフとした柄も古くから愛されていますよね。
桜には多くの品種がありますが
桜の文様もまたたくさん作られています。
「小桜」や「桜ちらし」は花や花弁を散りばめた柄。
他の文様と組み合わせるなど多様に用いられます。
【開運招福】や【繁栄】を願う柄だそうです。
「桜川」や「花筏(はないかだ)」は
花と流れる水をモチーフとした柄。
他にも「桜吹雪」や「山桜」など様々あります。
季節の始まりである春に咲くことから
桜の文様は
【新しい門出】
【華やかな未来】
【良いことの始まり】を
意味するともいわれます。
また
サクラの“サ”は山の神を表し、
“クラ”は神が座する場所を表す
という説があるそうです。
山の神は春になると里へ降りて田の神となり
そして稲穂に宿る。
その途中で座する場所が桜の木というわけです。
花の咲き散る姿によってその年の実りを占う風習も
あったとか。
そのため
【五穀豊穣】や【豊かさ】を意味する
とも言われます。
毎年私たちに喜びを与えてくれる桜。
その文様、意味の多さ、その物語の美しさからも
日本人の持つ桜への愛情が伝わってくる気がします。