想いや願いを込めた”吉祥柄”
今回は、"吉祥"そのものの言葉の由来について、お話させていただきます。
まず改めて読み方ですが…
"吉祥"は「きちじょう」や「きっしょう」
と読みます。
その意味は…
・幸福、繁栄を意味する言葉。
・幸先のよいこと。
・よいことが起こる前兆。
・この上なく縁起のよいこと。
文字の成り立ちについても調べてみました。
「吉」は漢字の種類としては"会意文字"という種類に入ります。
会意文字は、異なる意味の二つ以上の文字を組み合わせることにより、また違う意味が表された文字のことです。「吉」は、「士」という漢字と、「口」という漢字から成り立っています。
「士」は"斧のような刃物"を意味する象形文字です。
一方で「口」はそのままの文字どおり、口の象形であり、"縁起のいいことを祈ること"という意味を持っています。
この事から、おめでたい事をお祈りする儀式の中で、刃物をまじないとして用いることを意味する漢字となりました。そうして「吉」は「優れている、めでたい」などの意味をもつようになります。
「祥」は漢字の種類としては、"会意文字"と"形成文字"の種類に入ります。「祥」は「ネ(示)+羊」のように、「しめすへん・示」と「羊」という文字から成り立っています。
その「示」は「神へいけにえを捧げるための台」という意味の象形文字で、「羊」はそのまま羊ですが、特に「羊の首」という意味を表す象形文字です。羊は古来から人々にとってとても尊ばれた存在であり、幸せの象徴となっていました。
そのため、神さまに羊をお供えすることで、「幸運を得る」という意味を持つ「祥」という漢字が成り立ちました。
"吉祥柄"=よいきざし、縁起がよいことをあらわした古くからの文様の総称ということになります。
縁起良き吉祥文様に、一人でも多くのお客様やその大切な方への健康や多幸の願いをのせて…
この状況下だからこそ、そんな想いがより強まります。