『寒露のころ』
温かい飲み物でほっと一息つく。
そんなひと時を過ごしたい季節になりました。
10月8日に
二十四節気の17節目
「寒露」となります。
江戸時代に発行された暦便覧には
「陰寒の気に合つて
露結び凝らんとすれば也」
とあります。
寒露というのはこの時期
野草につく冷たい露です。
本格的な秋となり
農家では五穀の収穫を迎え、
北国では
紅葉が美しく深まります。
では七十二候をみてみましょう。
初候【鴻雁来】
(こうがんきたる)
雁は渡り鳥で冬を日本で過ごし、
温かくなると北へ戻っていきます。
次候【菊花開】
(きくのはなひらく)
菊は
「不老不死」
「無病息災」
「邪気払い」など
縁起の良い意味を持ち、
日本人にとって特別な花です。
末候【蟋蟀在戸】
(きりぎりすとにあり)
ここでいわれる蟋蟀は
ツヅサレコオロギのことだといわれます。
鈴の音のように鳴く虫です。
「ツヅサレ」とは
その鳴き声を、
「綴れ刺せ」と
表したものとされ
「冬に向かって
衣類の手入れをしましょう」
と鳴いているのだそうです。
ツバメも姿を消し、黄金色に染まる田園。
美しく輝く月に、虫たちの声。
趣ある秋の空気を
じっくりと味わいたいものです。